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深夜ピックアップドクターカーで医師3名出動 最終

2019年02月10日 18:50

胸腔ドレーン後の胸部レントゲンでは、
右胸部の頭側に白い大きな陰影があった。
まだ血胸が大量に胸に残っている。
胸腔ドレーンは、前医から合計で1.8Lとなった。
「胸腔ドレーンからの出血が1.8L,
まだ胸に血液が約1L血餅で残っています。
手術により予想出血が0.5L.
予想総出血量は3.3Lです。
体重54kgで全血液量は3.8L.
ほぼ全血液量が出血ででてしまいます。
赤血球輸血で全て置換されることになります。
赤い血だけを入れて凝固因子(血漿)を入れないと
凝固障害が出ます。
血が止まりません。
さらに血小板も数が減ります。
全血液が出血で出てしまうと赤血球輸血だけでなく、
凍結血漿輸血、
血小板輸血が必要です。」と私
後村医師は、
輸血申し込みを追加した。

CTの結果では、
心配した腕頭動脈損傷はなかった。
患者は、予定通り手術室へ移動した。
全身麻酔は伊沢、田中、後村医師が担当した。
麻酔がかかった後で
患者を左側臥位にして手術台に固定した。

手術は
私、吉岡、山端医師で行った。

右開胸すると、
肺破裂があり出血していた。
肺を修復し止血した。
手術は難しくはなかった。
(続く)

深夜ピックアップドクターカーで医師3名出動 最終

2019年02月09日 18:39

5 20歳代〇性。
救急隊現場STARTトリアージでCPA。
SCU STARTトリアージで医師が黒判断。
二次輪番病院が収容不能で、
やむを得ず八戸ERへ搬送。
死亡。

SCUで優先順位を症例1気道緊急>症例2ショックと決定した。
この判断は結果的に症例1の救命につながった。
そして、症例3の女性の救命につながった。

藤田医師と佐々木、森医師の現場活動は勇気があり、
正確だった。
コンビニ駐車場をSCUにした八戸消防の判断はよかった。
難しい現場判断を下した救急隊長も立派だった。
車外放出全員を見つけだした消防隊の活動と夜間照明器具の威力はよかった。
一直線に進む、劇的救命チームはよかった。

せっかくの高級車に乗っていたのに、
安全装置を十分に受けられなかった若い5名の傷病者を気の毒に思う。
車の値段は、スタイルやエンジンパワーではなく、
主に安全装置とその開発費用にあることを、
5名の若い乗員は知らなかったのであろう。
安全装置は、シートベルトをした前提で開発されてきた。
生き残った2名の若者は、今後シートベルトを必ずするはずだ。
シートベルト未装着の高級車より、
装着している小型車の方が安全だ。

死亡した3名に合掌。

*患者の特定を避けるために、
掲載時期を大幅にずらしています。
また、年齢性を変えることもします。

深夜ピックアップドクターカーで医師3名出動 完


深夜ピックアップドクターカーで医師3名出動 その5

2019年02月07日 18:35

医師2名が同乗し現場を出発した。
この時点で、
3番目の女性の追加処置はあきらめた。
救急隊単独で八戸ERへ搬送を隊長に告げた。
20歳代男性はER到着時心肺停止状態.
ERで緊急開腹手術を開始した。
肝臓、脾臓損傷があり。
心拍再開することなく、永眠した。

単独傷病者のドクターカー活動時は、
救急隊長の下に医師が着く。
指揮権は救急隊長にある。
医学的問題や緊急処置の時は、
医師が隊長の一時的に上位になるが、
落ち着き次第に、
指揮権を隊長に譲る。
一方、SCUでは、ほぼ病院の管理に似る。
したがって、そこは現場近くではあるが、
指揮権は医師が取る。
救急隊長から情報をもらい、
医師が全てを決定する。
それがSCU。

*患者の特定を避けるために、
掲載時期を大幅にずらしています。
また、年齢性を変えることもします。
(続く)

深夜ピックアップドクターカーで医師3名出動 その4

2019年02月06日 18:33

先の重症赤2名の処置次第で、この女性に処遇を決めることにした。

1 20歳代〇性。
救急隊現場STARTトリアージ赤。
SCU でのPAT法triage赤。
PAT法triageとは
身体所見から緊急度重症度を決めるもの。
スタート法トリアージより正確。
ただし、診療技術と診療時間を要する。
顔面外傷と気道出血による気道閉塞、
血圧130、意識昏睡状態JCS100,GCS7、
森医師と藤田医師2名で輪状甲状靭帯切開後に森医師1名が同乗し現場出発した。
ER入室後、頭部外傷の手術を開始した。
予測位救命率46%
劇的救命

藤田医師は輪状甲状靭帯切開後に救急車を下りて、
2番目の救急車へ移った。


2 20歳代〇性。
救急隊現場STARTトリアージ赤。
SCU でのPAT法triage赤。
橈骨動脈触れず、心拍数110、
呼吸数20、意識昏睡状態JCS300,GCS3、
救急車内で佐々木医師が気管挿管した。
藤田医師が蘇生的左開胸術施行。
末梢の血管が浮き出なかったので、
骨髄内輸液を開始した。
(続く)

深夜ピックアップドクターカーで医師3名出動 その3

2019年02月05日 18:24

現場に向かう救急車には、
消防八戸から無線が入る。
「傷病者は多数。
最低6名。
数名車外放出」
消防八戸は、追加で救急車を手配する。

先着した救急隊3名がトリアージを開始した。
高級乗用車の5名中、3名は現場トリアージ赤。
2名は黒。
トラック運転手は緑。

まもなく追加の2台の救急車が到着した。
先に赤の3名を乗せて救急車3台が現場を出発した。
現場には、消防隊が残り
後続の3台の救急車を待った。
後続の2台は、黒の2名を収容し現場を出発した。
残り1台は4t車運転手のSTARTtriage緑を直近二次病院へ搬送した。

ピックアップドクターカーは中間地点のコンビニ駐車場(現場から3km)を
Staging Care Unit (臨時医療拠点SCU)とし南下してくる救急車を待ち受ける。

 SCU(臨時医療拠点、Staging Care Unit)
SCUステージング・ケア・ユニットとは、
広域医療搬送拠点とか広域搬送拠点臨時医療施設と言われる。
災害時
自衛隊の駐屯地や空港、
や広い平地のある施設などに
臨時の医療施設を立ち上げ
傷病者を集める。
そこで、しっかり緊急処置をして、
ヘリコプター、救急車などを使いしっかり治療ができる病院へ搬送する。
搬送中に、急変し死亡することを避ける。
このような作業をする拠点のことをSCUという。
・・・・・・
3台の救急車が
コンビニSCUに向かう。
(続く)