ダウンウオシュ

2015年05月31日 18:08

質問をいただきました。

病院の屋上には大きなHマークがあり、
一度だけドクターヘリが着陸したことがあります。
その時の音がめちゃくちゃ大きくてびっくりしました。(笑)
近くにいたら風も凄かったんだろうなぁ、と思います。
私はヘリコプターに乗った経験がありませんが、
私は高いのがダメなので考えるとちょっと怖いかも…
(救急搬送時にそんなことは言ってられないとは思いますが…)^^;
お仕事をされていて…
なかなかヘリコプターに慣れるのが難しいドクターや私みたいに高いのがダメなんです~!?
みたいな患者さんいますか?
また、ドクターヘリならではの利点や
注意点などありましたら教えていただけると嬉しいです。

とういう内容です。

お答えします。

まず、ヘリポートのHマークのことです。

国内でヘリコプターが離着陸するためには、
航空法第38条「空港等又は航空保安施設の設置」
(空港に準じた設備の整った恒久的な施設を作る)の許可
または航空法第79条「離着陸の場所」のただし書き
(飛行場以外の場所における一時的な離着陸)
の許可を得る必要があります。

それぞれの法による「ヘリポートマーキング(設置帯標識)」の規定は、
以下のように定められています。

【航空法第38条】
  航空法施行規則第79条の別表に規定されています。
以下の1種類しかありません。色の指定はなし。
ヘリポート規則 (411x500)


【航空法第79条ただし書き】
上記に準じた標識が必要とされていますが、
上空から明瞭に視認できれば、
その設置・種類までは問われません。
これは法第38条による施設とは違い、
学校のグラウンドや河川敷など、
様々な場所に一時的に離着陸するためです。

以上のことから、ICAOの規定する「白十字に赤字のH文字」
で構成された病院へリポートの標識は、
航空法のどこにも定められていません。

八戸市立市民病院のヘリポートは、
「第79条ただし書き」の許可を得た飛行場外離着陸場です。
設置帯標識は「黄十字に白字のH文字」が最初書かれていました。
後の融雪装置工事後は、セメントを黄色いペイントで四角く囲っているだけです。
・・・・・・

次に騒音につういて

ヘリコプターの騒音については、
ドクターヘリには消音装置がついています。
自衛隊ヘリコプターや
防災ヘリよりは、かなり静かです。

・・・・・

次に拭きおろし風について
ダウンウオッシュと言います。

ヘリコプターの吹きおろしの風の威力は
やはり、ドクターヘリ(救急ヘリコプターEC135)の方が
自衛隊、防災ヘリより羽の大きさが小型なため
小さいです。
しらかみ (500x326)

EC135 (500x377)

・・・・・・

さいごに高所恐怖症について

高所恐怖症のフライトドクターはいます。
河野慶一医師は、
高所恐怖症ですが、
何百回も飛んでいます。
外を見なければ大丈夫だそうです。
・・・・・・
患者自身が高いところはいやだ、
ヘリコプターはいやだと、
訴えたときは、
陸送にします。
その場合は、フライトドクターが
付き添います。
長時間搬送になりますが、
医師同乗なので安心です。

ドクターヘリ115D

2015年05月26日 17:17

機体番号112Dは八戸ドクターヘリ。
DSCF6483 (500x333)

定期整備のため、名古屋の中日本航空に出発しました。
代わって115Dが八戸にやってきました。
機体重量が重く、医師2名出動は難しいという、会社の意見です。
当分は、医師1名、看護師1名で出動することになります。

112Dの機体番号が書いてある場所と
DSCF7250 (500x333)


115Dの機体番号の書いてある場所に違いがあります。
DSCF7251 (500x333)


この二つの丸い穴は
エアコン装置だそうです。


天井に着いている銀色のメッシュは、
砂がエンジンに入らないようにする装置だそうです。
DSCF7252 (500x333)
小学校の砂地の校庭に着陸する時に、
種差海岸の海の近くに着陸する時に
威力を発揮するそうです。

・・・・・・・・・
ネパール地震救援の山本大樹救急救命士の活躍はNHK青森
本日夕方の
アップルワイド
5月26日
青森県だけ視聴できます

機長と整備長 最終

2014年10月26日 18:56

整備長は機体の周りを一周。
忘れ物がないか確認する。
それから、後ろのドアを閉める。
整備長がドアロックを確実に確認する。
機体の重要な部位を手で触る。
警備する消防に一礼し
左前ドアから機体に乗る。
ヘルメットをかぶり、シートベルトを締める。
その間、機長は空港と無線連絡を始める。

我々はそれぞもシートベルトを締め、
ヘルメットをかぶる。
機長は室内通話で我々に話かける。
「離陸します。いいですか」
「はい、全員シートベルト締めました、OKです」私

「離陸します。もう一度シートベルトを確認してください」
「はい」

10時44分離陸した。
着陸した時と同じように、
メインローターが雪煙を上げた。
だが、着陸と違うのは、
機体は、雪煙より先にどんどん高度を上げる。
だから、視界は常に新鮮。

EC135は雪の街を飛び越える。
10時50分八戸市立市民病院ヘリポートに着陸した。

ドクターヘリは機長と整備長、CSで安全に運航される。

高校生の諸君、ヘリコプターを操縦する職業につかないかい。

機長と整備長 完

機長と整備長 その3

2014年10月25日 18:55

EC135はランデブーポイントに着陸した。
あたりまえに、着陸するけれど、
そこには、高度なテクニックが必要だった。

着陸して3分後に救急車が入ってきた。
われわれは、救急車の中に入る。
患者は脳卒中を疑う症状だった。

着陸直後に整備長はCSに携帯電話を入れる。
ランデブーポイントの地名と、着陸時間を教える。

救急車内での診察はわずか7分間だった。
10時40分、私は隊長に促した。
「ヘリコプターに搬送しましょう」
救急車の機関員は整備長とアイコンタクトをとり、
車を動かす。
ドクターヘリのメインローターのすぐ外側まで車を移動させることが多い。
整備長の誘導で救急車は動きそして止まる。

患者は整備長が操るストレッチャーでEC135の
クラムシェルドアから入れられた。
クラムシェルドア近くに置かれた救急バッグを機長が後部荷室に入れる。
機長はCSに携帯電話を入れる。
間もなく離陸すること、
収容病院は八戸ERであること。
乗員は医師2、看護師1と患者1。

右前ドアから操縦席に乗り込み、
そして後ろを振り返る。
我々は患者に心電図モニターを付け、
血圧計を巻く。
酸素のスイッチを押して、
酸素流量を調整する。
機長は時々後ろを振り返り、
タイミングを計る。
「エンジンスタートいいですか」機長
「はい、お願いします」私
(続く)

機長と整備長 その2

2014年10月24日 18:54

「こっちも見えている」
機長は、足元にあるペダルの向こう張ってある透明なアクリルガラスを通して、
雪面を見ていた。

わずかに、視界が落ちると、機体はそれ以上高度を下げない。
慎重なスロットルさばきで、
EC135はゆっくり降りた。
視界は良好だ。
私たちには
その操縦のうまさが伝わってきた。

北国のドクターヘリ、
このような平らな雪原に降りるだけでも、南国とは違う。
機長と整備長のストレスは違う。

EC135はゆっくり降りる。
「見えているよ」整備長
「こっちも見えている」機長
踏み固められた雪の凹凸がちょうどいいコントラストで
わずかに影ができている。
その影で
距離感がつかみやすいのだそうだ。
真っ白い平らな雪原だと、ヘリコプターと地上の距離感がつかみにくい。
白い雪原に浮いているような錯覚になるという。

積雪15cm位なら、EC135は着陸できる。
雪の下が平らであることがわかっていればだ。

踏み固めてもらう理由は何か。
「視界確保。距離感を保つため」らしい。
雪原とヘリコプターの距離をしっかり認識するため。
だから、大雑把に不整に靴跡がついていればいいのだそうだ。
少々でこぼこがあるほうがいいのだそうだ。
バスククリンで、雪原に色を付けるのも、同じ目的。
白い雪原に、ダウンウオシュの白い地吹雪が重なると、
距離がつかめなくなる。
安全な操縦には、視界が必要だ。
EC135はランデブーポイントに着陸した。
(続く)