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移動緊急手術室ドクターカーV3出動おいらせ消防編 最終

2017年01月14日 18:28

ドクターカーV3に無線が入った。
ドクターカー1号で先行していた
藤田医師からだった。
「意識障害あり、昏睡状態、
循環はよし。
心臓破裂ない。
腹腔内出血ない。
大量血胸ない。」
近藤医師が答えた。
「ショックでなければ手術室の必要はないですね」
「そう思います」
「輸血はどうしますか」
「輸血はもらいたい」

近藤医師の情報は全員に伝えられた。
3分でほぼ出来上がった手術室であったが、
幸運にも、
使う必要はなくなった。

5分後に、
十和田救急車がおいらせ消防に到着した。
救急車のスライドドアが開く。
「今センター長、乗ってください。
万が一、手術が必要なら
ERについてからです。
輸血は載せます。」
藤田医師が指示した。
私は、輸血を持って救急車に乗り込んだ。
すぐに、
救急車は八戸ERに向かった。

30分後、十和田救急車は八戸ERに着いた。
CT検査では、頭部外傷だった。
今野部長が頭部外傷の手術を開始した。

出血性ショックに対するドクターカーV3の出動決定は難しい。
確実性を求めると、出動まで時間を要する。
素早い出動だと、今回のように
空振りする(オーバートリアージ)こともある。

遠隔地から搬送される出血性ショックには、
オーバートリアージが容認されると思うが、
今後の経験を積んで、
ドクターカーV3の出動決断基準を決めたい。

移動緊急手術室ドクターカーV3出動 完

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移動緊急手術室ドクターカーV3出動おいらせ消防編 その2

2017年01月13日 18:27

病院正面を出たところで、
サイレンスイッチをオンにした。

国道45線を北上した。
目指すは、十和田市方面。
ただし、先行している
ドクターカー1号がどこで救急車とドッキングするかで、
ドクターカーV3のランデブーポイントも決まる。

最遠で、十和田市の南東の六戸町、
最短で、六戸町の南のおいらせ町、
このどちらかであろうと予測した。

まもなく、
八戸消防より無線が入る。
「ドクターカーV3はおいらせ消防署をランデブーポイントとする。」
「八戸ドクターカーV3了解」
上十三(かみとうさん)消防指令センターと八戸消防が相談した結果だろう。

イオンモールを過ぎて少し北に向かうと、
道路沿いにおいらせ消防がある。

ドクターカーV3はおいらせ消防にウィンカーを挙げて
速度を落とした。

おいらせ消防署では車庫の一部分を開けてくれていた。
シャッターの向こうはまぶしい光があった。
そこに、ドクターカーV3は車の頭を先頭に進んだ。

十和田救急隊とドクターカー1号がドッキングしたとういう無線が入った。

おいらせ消防では辻井指導救命士が指揮していた。
消防隊と救急隊総出で、
ドクターカーV3の尾部に、
手術室を作る。

消防隊員は、
スチール製の柱を2本、
車両の後方2mに立てた。
別な消防隊員は
柱と車両のハッチドアをつなぐ天井部分の骨組みを組み立てる。
別な消防隊は床に防水シートを敷く。
別な消防隊員は、排気管を外へ誘導する延長ホースを接続した。
救急隊員は
車両の両側に脚立を立てて、
屋根の収納箱を開ける。
中にグレーのテントが入っている。
それを引き出す。
濱舘医師は、手術器具を並べる机を組み立てた。

冬の零下の気温だったが、
消防署のシャッターが閉まっているせいか、
寒さは感じなかった。
(続く)

移動緊急手術室ドクターカーV3出動  おいらせ消防編

2017年01月12日 18:25

ドクターヘリスタンバイが終了した夕方、
十和田市からドクターカー出動要請が入る。
「交通事故、意識ない、ショック状態」
藤田医師と伊沢医師はドクターカー1号で出発した。
八戸ドクターカーは八戸市と周辺の市町村で運営する市町村が出資するドクターカーだ。
国からも特別交付税で応援してもらっている。
国からの補助があるということは、
別の見方をすれば
国営だ。

八戸市長は言う。
「定住自立圏にこだわらず、
困っている患者がいるときは、
範囲外へも出動してよろしい。」

十和田市は八戸から北に約30km
ドクターヘリなら12分くらい。
しかし、陸路では国道が大きく迂回する道のり。
定住自立圏の範囲外。

ERでは受け入れ準備が始まる。
ただし、十和田市までは陸路1時間近くかかる。

昏睡状態になるくらいのショックなら、
止血術か輸血をしないと、
途中で心臓が止まる。

私は、移動緊急手術室ドクターカーV3の出動を決定した。
今日のドクターカーV3当番は濱舘医師。
夕方のERには濱舘医師をはじめ、
多くの救急医がそろっていた。

「十和田市の出血性ショックに
移動緊急手術室を出す。
O型輸血4単位用意して、
開腹、開胸セット用意して、
吸引セットも積むよ。
5分後出動しよう」私

濱舘医師は、ドクターカーV3のエンジンキーを持って、
ERから消えた。
黒木研修医は検査室へ走る。
O型輸血をもらいに行くために。
村田医師は、検査室に電話する。
「移動緊急手術室で外へ、
O型輸血を持ち出します。
4単位。
払い出しおねがいします」
近藤医師は、救急室受付へ走る。
「身元不明、救急〇〇番男でカルテ作ってください」

濱舘医師はドクターカーV3の赤色灯を回転させて、
バックでER玄関に車を付けた。
時計は5分をわずかに超過したが、
ドクターカーV3は、
出血性ショックの交通事故患者に出動した。

「八戸移動緊急手術室ドクターV3より
上十三(かみとうさん)消防指令センターどうぞ、
ドクターカーV3は、
十和田市交通事案に出動します。
ランデブーポイントの設定を八戸消防、
十和田消防で相談して決めてください」
「上十三(かみとうさん)消防指令センター了解」
(続く)

雑誌の表紙にV3

2016年12月28日 18:59

雑誌Prehospital careの今月号の表紙に
八戸ドクターカーV3が掲載されました。
2016年11月日本救急医学会で取材を受けた時の写真です。
今月の特集が
「心肺停止」
prehospitalcare 201612

ドクターカーV3受賞

2016年12月26日 19:30

じゅしょう
と言っても
受傷ではありません。
受賞です。

ドクターカーV3を開発、作成した
八戸工業大学の浅川先生からの寄稿です

11月26日(土)に仙台市で行われた、
経済産業省主催の
「平成28年社会人基礎力グランプリ北海道・東北地区予選大会」において、
八戸工業大学と八戸市立市民病が共同開発をした
「ドクターカーV3」を題材に、
八戸工業大学の学生3名が発表を行いました。
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地域の救急医療が抱える課題を克服する
医工連携による取組みが評価され、
奨励賞を受賞しました。
2016社会人基礎力グランプリ_奨励賞

また、審査委員長はじめ他の出場者や来場者も、
傷病者発生現場での緊急手術を可能とする、
日本(世界?)初の「ドクターカーV3」へ
大変な興味・関心を示しており、
次年度への確かな手応えを感じました。

八戸ドクターカーV3 4



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