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低血糖ショック 前半

2019年01月18日 18:44

ドクターカー当番は私。
朝のカファランス中にコードブルーPHSが鳴った。
「白銀町で意識が悪い男性、ショック状態」
東京港区白金と、発音は同じだが
八戸は,
しろがね白銀だ。
私は、赤い災害服をスクラブの上にはおった。
足元は安全靴。
ドクターカードライバーは、後部席のわたしに、
「出発します」と声をかけて、
3000ccターボエンジンのガソリンエンジンのアクセルを踏んだ。
左カーブ、右カーブで病院正面の信号機に着く。
その間にシートベルトを締める。
無線機に向かう
「八戸ドクターカー2より、消防八戸、
これよりドクターカー白銀へ出動します」私
「消防八戸了解。
傷病者情報・・・・・・・・」

ドクターカーは住宅街に入った。
カーナビには、前方に停車している救急車の位置が赤いマークで出ていた。
救急車は自宅前に停車中だった。
ドクターカーは救急車の後方につけて停車した。
私は、左後方の安全を確認してから、ゆっくりと左ドアを開けた。
救急バッグ、超音波バッグを持って、救急車へ歩く。
支援の赤車隊が、救急車のハッチバッグドアを跳ね上げてくれた。
救急車内には、目を閉じている男性がストレッチャーに横になっていた。
呼吸は早い。
橈骨動脈は弱く、早い。
冷汗がある。
「ショックによる意識障害だ。
心筋梗塞と敗血症、消化管出血を考えるよ」
話かけると目をあけてくれた。
胸が痛いか尋ねると、痛くないという。
握力は左が弱い。
構音障害がある。
血圧は85.
脳卒中にしては血圧が低すぎる。
私は、救急隊長に、血糖検査を依頼した。
(続く)

医師になりたい中高生へ

2018年12月14日 18:47

最後に

ここまでの話を聞くと、
「医師はこんな大変な仕事を毎日しているんですか」
「遊ぶ時間があるんですか」と思うことでしょう。
確かに、救命救急医の仕事は緊迫していて、
忙しいものです。
しかし、私は趣味でスノーボードをしていますし、
家族との時間も大切にしています。
子どもが小さいときには、
よく一緒に遊んだり、学校の行事にも参加していました。
時間を上手に使いながら、
私生活も充実させている医師はたくさんいます。

医師の仕事は、
マイナスの状態からゼロに近づけるように、
もともと元気だった人を元の体に戻してあげる仕事です。
その到達度が、達成感につながります。

「命を救う」というのは人類として、
非常に大切で素晴らしいことだと思っています。
それを仕事としてできるチャンスが与えられているのであれば、
ぜひ踏み出していただきたいと思います。

「メディカルノート」で「医学を志す」が紹介されました。
https://medicalnote.jp/contents/181206-001-LH


仮面ライダーだよ、中高生の皆さん

2018年12月13日 18:43

移動緊急手術室の開発への挑戦

さらに、私は移動緊急手術室の開発にも挑戦しました。
病院の外で人工心臓を装着するための手術ができれば、
救える命はもっと増えます。
そこで、2012年から車内で手術ができるドクターカー「移動緊急手術室」の開発を始めました。
これは世界初の試みであったうえに、
当時の日本の医療制度上、「病院の外では手術をしてはいけない」という決まりがあったため、
非常に難しい挑戦でした。
しかし、移動緊急手術室の必要性を訴え続け、
2016年6月についに移動緊急手術室の実現に至ったのです。

移動緊急手術室を、
ドクターカーV3と呼んでいます。
救急要請が入ったらドクターカーに後続する形で現場へと向かいます。

ある日、川で溺れて、河口まで流されてしまった女性の救急要請が入りました。
ドクターカーが先に現場に到着し、
女性の救助にあたっている間に、
移動緊急手術室のセッティングを行います。
女性は心肺停止状態であり、
移動緊急手術室内ですぐさま人工心臓、人工肺を装着する手術を行いました。
病院に戻って1か月ほど治療したあと、
女性は後遺症なく歩いて自宅に帰りました。
移動緊急手術室がなければ、
性の命を救うことはできなかったかもしれません。

最後に

サンダーバードを知らない中高生へ

2018年12月12日 18:41

ドクターヘリとドクターカーの同時出動「サンダーバード作戦」

天候や時間帯によって、ドクターヘリとドクターカーを使い分けていますが、
天候については判断が難しい場合があります。

たとえば、日中、こちらの天候は良好であったとしても、
着地点である現場の天候が悪くなると予想される場合、
ドクターヘリーで現場に向かったとしても、
病院へ引き返すことができないことが考えられます。
このように判断に悩む場合には、
ドクターヘリで現場へ向かうと同時に、
ドクターカーも現場へ向かいます。
これを私たちは「サンダーバード作戦」と呼んでいます。

どちらかの出動が無駄になってしまう可能性もありますが、
それでも救えるべき命を救うことには代えられません。

ドクターカーについて。中高生へ

2018年12月10日 18:40

ドクターヘリが出動できない時間を補うために、ドクターカーを開始

しかし、ドクターヘリは、悪天候時や夜間など、
視界が十分に確保できない場合には飛行することができません。
しかし、夜間であっても、どんなに天候が悪くても、
救命救急を必要とする患者さんはいます。

そこで、私たちはロンドンにおける「ドクターカー」を見習いました。
ロンドンでは、ドクターヘリが飛ばない時間は、医師が乗ったドクターカーが現場に向かい、
車内で治療を開始します。
これを真似て、2010年にドクターカーを開始しました。
開始からおよそ8年経過し、
これまでの出動件数は9,000件以上にのぼります。