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空飛ぶタイヤ八戸編

2019年02月19日 18:30

「空飛ぶタイヤ」ドラマ、映画で話題だ。

映画の中の事件は、
大手自動車会社の構造欠陥の隠し。
リコール隠し。
大手自動車会社に挑む中小企業社長。
大型トラックのタイヤが走行中にはずれ歩行者が死亡した事故が発端だった。

「空飛ぶタイヤ」の映画をビデオで見ると、
劇中に
空飛ぶタイヤ八戸 映画-コピー

これはあの時のドクターカー出動事案だ!
映画に使われたんだ。
でも、八戸の事故が劇中のような大手会社のトラックとは無関係です。

さて、八戸で起きた空飛ぶタイヤ事件
2014年にドクターカーが出動しています


「予測救命率36%への挑戦 その1 空飛ぶタイヤ」
その年は、大事故が続いた年だった。

男性は、勤勉だった。
仕事のため道路脇で作業中だった。

事故は男性の周りで起きた。
走っていた大型車のタイヤのボルトが外れ、直径1m150kgのタイヤが転がり出す。
重さにスピードを加え、更に回転力を増した黒い物体は男性方向に向かった。
でも心配ない、男性は歩道と車道を分ける縁石の外側。
大型車から離れた、タイヤは、その重荷から解放されたせいか、
回転数をあげ、
道路わきの縁石方向に向かう。
不運はその時だった。
縁石と縁石の切れ目がわずか1mほどあった。
その隙間を、タイヤは通過してしまった。

その物体が近づいてくることに、気づいたかそうでないかは解らないが、
タイヤは男性を直撃した。
タイヤの大きさは男性の臍くらいまで。
男性は、その高エネルギーを体に真正面から受け吹っ飛ばされた。
どれくらい飛ばされたのだろうか。
気がついた時、腹部と腰に激痛を感じた。

目撃した通行人がいた。
直ぐに119番通報。
○○消防は、救急車1台、支援隊1台、そして八戸ドクターカーを現場出動させた。

2004年ころ
あるトラックメーカーのタイヤが外れた死亡事故が続いた。
消防救急指令課はそれを思い出した。

ドクターカー当番は、濱館医師、鳩山研修医。
赤い災害服、ヘルメット、安全靴で車にかけ乗った。
2分でラブフォーは出発した。

ドクターカーが現場到着時、救急隊は観察を終え、
救急車内に男性を収容したところだった。
タイヤが歩道にぽっかりと置かれていた。
濱館医師の第一印象は重症、sick
声が出たが、弱い、うめき声。
最優先の気道は何とか通じていた。
呼吸数が早い。酸素が足りないとき、出血している時に呼吸が速くなる。
トウコツ動脈は弱く、早い。
この状態は出血性ショックが90%以上の確率で疑われる。
何よりも、全身が異常に冷たい汗で濡れていた。
外傷で冷や汗は生命危機を示す。
脈が速く、冷や汗のことを
クール+タキカルディア=クールタキ。
クールタキはショックを示す。
いつも講習会で強調してきた
クールタキ。
研修医もそのことをよく知っていた。
(続く)

続きは
http://doctorheli.blog97.fc2.com/blog-entry-1219.html

第33回日本外傷学会総会は八戸

2019年02月12日 18:59

日本外傷学会 会員の皆様


“トップナイフから学べ”
日本外傷学会史上最小の街八戸で開催する、第33回日本外傷学会総会・学術集会の
会長の任を仰せつかった今明秀です。

学会のメインテーマは、「トップナイフから学べ」です。
パネルディスカッション1ではdamagecontrol ground zeroについて議論します。
ドクターヘリ、ドクターカーで先進的な取り組みをしている施設からの発表を期待します。
パネルディスカッション2、ダメージコントロールと大動脈遮断の司会は久志本成樹先生です。
活発な議論が楽しみです。
一般演題を募集します。ご応募ください。
 第33回日本外傷学会総会・学術集会
   会長 今 明秀


****************************************************************************
第33回日本外傷学会総会・学術集会では下記の要領で一般演題の公募を行います。
また、本大会では事前参加登録を実施致します。
事前参加登録者は会員懇親会を無料でご招待致しますので奮ってご参加下さい。

演題登録:大会ホームページより
http://www2.issjp.com/jast2019/abstracts.html

募集期間:
登録開始日:2019年1月31日(木) 10:00

登録締切日:2019年3月11日(月) 17:00
外傷学会八戸ポスター軽い

募集形式:
・パネルディスカッション(一部指定/公募)
・一般演題口演・動画あり(10分)
・一般演題口演・動画なし(7分)
・一般演題ポスター

事前参加登録:大会ホームページより
http://www2.issjp.com/jast2019/registration.html

募集期間:
登録開始日:2019年1月31日(木) 10:00

登録締切日:2019年4月30日(火) 17:00

(お問合せ先)
<第33回日本外傷学会総会・学術集会 運営事務局>
〒108-0073 東京都港区三田3-13-12
株式会社アイ・エス・エス 営業統括部 コンベンショングループ内
TEL:03-6369-9995
E-mail: jast2019@issjp.com

岩手県北へ出動

2019年02月11日 18:08

戊辰戦争から150年。
戊辰戦争で幕府軍に加担した南部藩は、
敗戦後に広大な領地を二つに分けられた。
北の部分を青森県に併合。
南の部分は岩手県となった。
その境はわかりやすく階上岳山頂に直線を引いた線と一致する。
境界を隔てた両地域は生活圏は一緒。
現在でも行き来が盛ん。
境界の北の中心は八戸市。
境界の南の中心は盛岡市。

救急隊長は、交通事故現場からドクターヘリ要請した。
場所は岩手県北部
境界のすぐ南だった。

「2名傷病者。
1名は、意識昏睡状態でJCS300.」
岩手県ドクターヘリ医師は、最重症の交通事故患者と考え、
直接直近の八戸ドクターヘリを再要請するように伝えた。
12時24分ドクターヘリ要請が入った。
12時30分八戸ドクターヘリは太平洋に向かって離陸した。
左に北三陸のリアス式海岸が続く。
国道45号線は津波被害が大きかった道路だ。
今では復興しているが、
道路に立っている電柱には、
津波に備えて、
その場所の海抜何mかと、
非難方向が示されている。

高度400mから地上を見る。
路肩に自動車が転落していた。
車の前方は大きくつぶれていた。
フロントガラスは割れていない。
自損事故のようだった。
ヘリコプターは
事故現場の上空を超えて、
その先のランデブーポイントの消防署へ向かった。
飛行時間9分で八戸ドクターヘリは岩手県北の町に着いた。
12時39分着陸。

私は、男性をヘリ搬送、
もう一人を陸送と決めた。
陸送にしても、直近の総合病院は八戸ERだ。
二人八戸ER収容として、
男性1名をヘリに収容して離陸した。

深夜ピックアップドクターカーで医師3名出動 最終

2019年02月10日 18:50

胸腔ドレーン後の胸部レントゲンでは、
右胸部の頭側に白い大きな陰影があった。
まだ血胸が大量に胸に残っている。
胸腔ドレーンは、前医から合計で1.8Lとなった。
「胸腔ドレーンからの出血が1.8L,
まだ胸に血液が約1L血餅で残っています。
手術により予想出血が0.5L.
予想総出血量は3.3Lです。
体重54kgで全血液量は3.8L.
ほぼ全血液量が出血ででてしまいます。
赤血球輸血で全て置換されることになります。
赤い血だけを入れて凝固因子(血漿)を入れないと
凝固障害が出ます。
血が止まりません。
さらに血小板も数が減ります。
全血液が出血で出てしまうと赤血球輸血だけでなく、
凍結血漿輸血、
血小板輸血が必要です。」と私
後村医師は、
輸血申し込みを追加した。

CTの結果では、
心配した腕頭動脈損傷はなかった。
患者は、予定通り手術室へ移動した。
全身麻酔は伊沢、田中、後村医師が担当した。
麻酔がかかった後で
患者を左側臥位にして手術台に固定した。

手術は
私、吉岡、山端医師で行った。

右開胸すると、
肺破裂があり出血していた。
肺を修復し止血した。
手術は難しくはなかった。
(続く)

深夜ピックアップドクターカーで医師3名出動 最終

2019年02月09日 18:39

5 20歳代〇性。
救急隊現場STARTトリアージでCPA。
SCU STARTトリアージで医師が黒判断。
二次輪番病院が収容不能で、
やむを得ず八戸ERへ搬送。
死亡。

SCUで優先順位を症例1気道緊急>症例2ショックと決定した。
この判断は結果的に症例1の救命につながった。
そして、症例3の女性の救命につながった。

藤田医師と佐々木、森医師の現場活動は勇気があり、
正確だった。
コンビニ駐車場をSCUにした八戸消防の判断はよかった。
難しい現場判断を下した救急隊長も立派だった。
車外放出全員を見つけだした消防隊の活動と夜間照明器具の威力はよかった。
一直線に進む、劇的救命チームはよかった。

せっかくの高級車に乗っていたのに、
安全装置を十分に受けられなかった若い5名の傷病者を気の毒に思う。
車の値段は、スタイルやエンジンパワーではなく、
主に安全装置とその開発費用にあることを、
5名の若い乗員は知らなかったのであろう。
安全装置は、シートベルトをした前提で開発されてきた。
生き残った2名の若者は、今後シートベルトを必ずするはずだ。
シートベルト未装着の高級車より、
装着している小型車の方が安全だ。

死亡した3名に合掌。

*患者の特定を避けるために、
掲載時期を大幅にずらしています。
また、年齢性を変えることもします。

深夜ピックアップドクターカーで医師3名出動 完