第24回日本航空医療学会八戸7

2017年11月11日 14:19

第24回日本航空医療学会の最終プログラムは。
森村尚登教授 (東京大学救急科学 )の
「2020年東京オリンピック・パラリンピック開催中の救急・災害医療の問題点」

フランス院外救急医療支援組織 (SAMU) パリ本部へ留学経験、国内外の災害医療に携わってきた経験を持ちます。
10 学会合同 -2020年東京オリンピック・パラリンピックに係る救急・災害医療制体を検討する学術連合体合同委員会委員長 です。

集団が集まるイベントの医療の対象は、過去は選手やVIP対象だけだった。しかしそのイベントには市民参加も多く、医療の第二段階としては、イベント参加する市民に医療の目が向けられてきた。世界最大のイベントはメッカ市サウジアラビアでの宗教行事で死者も出る。ここでも、医療が活躍する。
米国の大きなマラソン大会があった年に、心筋梗塞の死亡率が上がった(NEJM)。マラソン大会により交通渋滞し、医療機関も混み、日常の救急医療ができなくいなったからだ。
自国開催のサッカーワールドカップ(ドイツ)ではキックオフに合わせて自宅発症の心筋梗塞が増えた。
先進国では、多数傷病者発生時、消防はCode Brown を発動する。Code Brownでは、受け入れ病院と消防であらかじめ話合い、決められた重症度の人数を、最悪では受け入れ病院に連絡することができない状況に陥っても収容してもらう。パリの銃乱射テロ事件ではCode Brownを発動され、患者の収容がうまく行った。
重症外傷では、Prehospital ダメージコントロールが行われる。現場にドクターカーやドクターヘリで医師が出動し、決められた処置を行う。
1外出血コントロール
2輸液
3トラネキサム酸投与
4簡略した気道呼吸管理。気管挿管はしない。
5低体温是正
6手術室直入の連絡

2017年11月3日米国大統領トランプが訪日した。
同じ日、救急災害関係者が集まり、コンセンサスカンファランスを同じ東京で開催した。テロ事件を想定したいくつかの確認事項を決めた。例えば多数傷病者発生の現場から消防が病院へ傷病者を搬送するときは、第二報は不要であるなど。このコンセンサスを、トランプコンセンサスと呼ぶ。

第24回日本航空医療学会八戸6

2017年11月11日 11:06

第24回日本航空医療学会の二日目が始まりました。
今日は、11月11日のポッキーの日です。
朝の新聞には、八戸海上自衛隊の敷地内でクマ外傷が3件発生したということが載っていました。

二日目は、離島航空機搬送のパネルディスカッションです。
座長は滝口先生です。
演題は
隠岐諸島の島根県、
對馬の長崎県、
屋久島などの鹿児島県、
奄美群島の奄美大島病院、
沖縄県
から発表がありました。

結論
人が住んでいるところにはヘリポートが必要。
防災ヘリの救急出動の整備が必要。
夜間の航空機搬送システムの確保が必要。
ドクターヘリだけでは足りない。

第24回日本航空医療学会八戸5

2017年11月11日 09:54

学会の夕方は
「民間医療ヘリ」の講演がありました。
イブニングセミナーwith B

演者は、冨岡譲二医師です。
離島医療の問題を解決したい。
公的ヘリだけでは足りない。
熱演でした。

with B のBはビールの意味です。
ビールとリンゴジュースが500本、空になりました。

第24回日本航空医療学会八戸4

2017年11月11日 09:20

第24回日本航空医療学会の
ポスター会場のテーマは「劇的救命」です。

何のために医療をしているのだろう。命を救うため、喜ばれるため、世の中に貢献したいから、いろいろありそうだ。目の前に瀕死状態になっている患者を診て、それを救えないのなら、それは医療の力不足か、患者が重症すぎるかだ。
若い医師・看護師が救急研修を行う大きな目的は、ERで軽症から重症までそつなく診られるようになること。重症患者を受け持ち、手技や知識を身につけること。最重症の患者を鮮やかに救う場面に遭遇し、その術を記憶すること。私はそう思っている。
ERの診療が上手になってくると、救急医療は病院前から始まっていることに気づく。救急隊の処置や、交通事故の受傷機転にも目が注がれる。さらに、自ら救急車に乗って現場に出動したくなる。病院前救護は陸上だけではない。夏のエキサイティングな洋上救急の経験をお話しよう。
出動要請はお盆で、ERがごった返している夕方に突然来た。ミッションは「三陸沖約400kmの洋上の船舶内にショックで呼吸困難の患者がいる。八戸海上自衛隊救難ヘリコプターに同乗し、夜の太平洋に出動してくれ。」40 歳代男性が12時頃、三陸沖漁場で操業中の漁船にて冷凍されたカツオが十数匹落下し頭部に当たり卒倒した。呼吸苦を訴え、顔色が不良となったので船舶無線 で救助要請。海上保安庁は、八戸海上自衛隊と救命救急センターへ出動依頼をしたということだった。
私と看護師の乗った救難ヘリは20時30分に八戸飛行場を離陸した。ようやく22時に太平洋の太平洋現場海域に到着したが漆黒の海に船舶は見つからず、残り燃料を気にしながら約45分間空から探し続けた。船舶発見後、救難ヘリは船舶上空に停止し、レスキュー隊員1名がヘリからロープ降下し、患者と接触した。ヘリ内に残った隊長から「訓練じゃないんだ、早くしろ。帰りの燃料はカツカツだ」無線でレスキュー隊に怒号が飛んだ。
23時2分、患者は全脊柱固定されホイストでヘリに収容された。続いてレスキュー隊員を引き上げるのと同時に、ヘリはドアを開けたまま、急旋回し現場海域を離脱する。窓越しに見えた船の明かりはあっという間に弱く小さくなった。私はその間ヘリ内で、いつもよりきつくシートベルトを締めていただけだったが、開いたドアから見えた真っ暗な空と海と潮の匂い、揺れる漁船から放たれる最高出力と思われた白い集魚灯の光、全員白いヘルメット姿だが、さまざまな色のゴム合羽を着ていてその動きにまったく統制が取れていない数十人の漁船員の姿、これらは私に黒潮の上空で救助活動していることを十分知らしめてくれた。
患者は、腹式頻呼吸、血圧低下、冷や汗、意識識障害、四肢の運動麻痺と知覚異常を認めた。100%酸素投与で酸素飽和度はまだ不足していた。全脊柱固定と急速輸液、気管挿管で飛行を続けた。午前1時5分に夜間照明で照らされていた病院ヘリポートへ着陸した。患者は速やかに救命救急センターに入室し、頸髄損傷の集中治療が開始された。
若い医療者の間で「救急やドクターヘリ」に最近人気が出てきたのは、役立つ医療と、感動する医療が同居するからだろう。映画やドラマのようなエキサイティングな場面は少ないけれども、出くわせば確実にシーンの中にいられる。劇的救命を一緒にやらないか。

第24回日本航空医療学会八戸3

2017年11月10日 15:30

第24回日本航空医療学会で午後にシンポジウムが開催されました。
シンポジウム「県境を越えたドクターヘリ広域連携」
どこのドクターヘリを最初に消防が要請するのか?
 直近ヘリが第一優先(自県へりにこだわらない)
千葉県と茨城県の県境
北部九州4県の県境
中国5県の県境
 自県優先、第二出動が隣県ヘリ
北東北3県の県境
富山県と岐阜県県境
群馬県を中心にした5県県境

隣県のヘリが出た場合に費用負担が発生する地域としない地域がある。

距離優先にするには、行政がしっかり中に入って議論することしかない。